酷暑の6連休D〜薬師岳→薬師沢〜07.8/15

この日は、立山登山第三日目。今回の立山登山の中で一番楽な計画の一日。
昨日距離を稼いだおかげで、コースタイムは4時間半。それも友人のいる小屋までは
ひたすら下り坂。もう、昨日までの厳しい修行を積んだ身としては鼻歌ふふ〜ん、って感じ。
しかし、今は小屋が一番混む時期なので早く着いても友人も忙しいだろうし、
かといって道中寄り道する場所もない。さらに、昨日の悔しい思いも晴らしたい。
それでは!と考えたのは、朝一で薬師岳を登りなおし、周辺のハイマツ帯でじっくりと
タカネヒカゲに再挑戦してから移動しようというおバカなコース。
これならば小屋に荷物を置いていけるので、追っかけまわすのが楽だという魂胆ですが、
昨日その姿は見ているものの、時期ハズれのこの時期、はたしてどれだけ期待して
いいものなのか、ドキドキしながらの幕開けとなったのですが…
初手から宣言すると、この日は大興奮のラッキーディとなったのでした(^o^)/

<1>薬師岳→薬師沢

  
てなわけで、この日も日の出直後からハイマツ帯をズンガズンガと歩きますが、なんかものすごい
霧が稜線沿いに吹き上がってきて、とてもじゃないけど蝶なんて飛ばない雰囲気。
でも、そのまま薬師岳の山頂に登ると、霧に朝日があたって…幻想的な影(右)を創造!
これが噂のブロッケンってやつですか?スンマセン、かなり感激しちゃいました☆

  
眼下に広がる雲海(左)も素晴らしいもの。悦に浸りつつ、ふと振り返ると、
昨晩お世話になった薬師岳山荘と、太郎平小屋が見えて(右)、これまたいい感じ♪

  
ようやく少しきりが晴れてきたので、しめしめと思いつつ再度下り始めると、目の前にライチョウ(左)
出現。それもえらく堂々としているので、よくみると、小さなヒナ(右)がうろちょろしていて、
通りがかりの人たちとしばらくの間じぃっと見物してしまいました。
実は、見ている途中に眼下をボロボロのタカネヒカゲが飛んだのにも気付きましたが、
崖地だし、手も足も出ずに苦笑いしてみたりという一幕も。

  
そのあともしばらくハイマツ帯で、あちこちニラみつつ粘りましたが、いっこうに蝶影はなく、
そのかわり、クモマキスミレ(左)の小群落を見つけたのでじっくり撮影。
花を裏側(右)から見ると、赤茶色の模様が入っているというのが今回の発見。

さらに粘るも成果なく、諦めて小屋に戻りかけた時のことです。
少し下側を歩いているグループの足元から茶色い蝶がふわっと舞い上がり、
そのままガレ地の斜面へ飛んでいくのが見ええました。
「おっしゃ!飛んだ!」
そう絶叫して、私も一直線にガレ場の急斜面を転がるように下ります。
「えっ、何が起きたの?」「あの人どこいくの?」「私たちなんか悪いことした?」
上で戸惑う声が聞こえてましたが、かまう暇なんかあろうはずがないというもの(…スンマセン)

  
大慌てで追いついたのですが、そこにあるのは不審な影(左)のみ。
いや、よく見ると、これはちょうどこちら側に体を倒して日光浴中のタカネヒカゲなんです!
そぉっとまわりこむと、なんとか順光側から(右)も撮影することに成功。

  
さらに追いかけると、岩の上にツイと静止(左)してくれたり、なんと最後には
ハイマツの枝上(右)でいいポーズまで披露してくれたのでした。嗚呼、ありがとう!

  
驚いたのは、ひとしきり撮影を終えて振り向くと、本当に目の前にライチョウの子ども(左)
がいたんです。これ、テレコンつけてません。その距離数メートル。
どうやらお食事中のライチョウ親子のすぐ近くまで爆走してきたということらしんです。
あわてて退散し始めましたが、ものすごいガレ場の急斜面を走り下ってきたので、
今から戻るべきルートを見上げた時の絶望感ったらもう…
とりあえず近場のコバイケイソウ(右)なんかとって気持ちをごまかしたりしつつ、
朝っぱらから汗まみれになりながら、ずるずる滑るガレ場を登ったのでした。
んで、小屋に戻って意気揚々と「撮れました!」と報告すると、小屋のおっちゃんに
「もう少し早い時期だとそこら飛んでて区労しなくてもよかったのに」と同情されたり(^^;

  
小屋で荷物をピックアップして移動し始めると、斜面沿いのお花畑にクロマメノキ(左)が
わりとたくさんあるのを発見。この植物は、たしかあの高山蝶の食草だったはず……
とか思っていると、やはり斜面を舞い始めました。ミヤマモンキチョウです。
すぐさましばらく粘ることを決意しましたが、なんせ飛んでる距離はメチャクチャ遠い。
すっごく遠くで、求愛飛翔(右)なんてみれたんですけど、花畑に踏み込むわけにもいかんし…

  
でも、そうこう思っているうちにふと横を見ると、なんとすぐ側に吸蜜中の♂(右)がいて仰天!
慌てたのと角度が悪いのとでこの1枚しか撮れませんでしたが、それではとさらに粘ることに。
しばらく成果は全くなく、諦めかけた頃、ふと気付くと、道端の花に、再度♂が出現!
大慌てで2カットだけ撮影すると、愛想悪くついとそのまま消えてしまいましたが、
憧れの蝶を撮影できた喜びに、思いきりニヤケながら道を急いだのでした。

  
先を急ぐと、タテヤマリンドウ(左)の白い花があちこちに姿を現し始めます。
まだ朝露をのっけたチングルマの実(右)なんかもあってなかなかイイ感じです♪

  
さらにすすんでいくと、沢沿いにミヤマバイケイソウ(左)を発見。
アップ(右)でみるとなんともいえない表情してるでしょ?この花、大好きなんですよ☆

  
さらにずんずん歩くと、タカネニガナ(左)がいい感じに咲き誇っていたり、
そこここにチングルマ(右)がかなり満開に咲いていたりします。

  
イワイチョウ(左)も大群落でしたが、強烈な光の中、白い花は撮影しにくい〜。
コツガザクラ(右)なんかも数花だけでしたが咲き残っていてくれました。

  
ウラジロナナカマド(左)なんかみてると、なんか面白そうな雰囲気のカミキリ(右)を
発見。メチャクチャ小さいので四苦八苦してなんとか数枚撮影できましたが、
これは、ケシカミキリ系なんでしょうが、お名前は何ていうんでしょ?
#ニセフタオビヒメハナカミキリだそうです。Mikiさんありがとうございます!

  
このあたりから、ベニヒカゲもポツポツと出てくれましたが、これがフワフワと
なかなか止まらないし、腹立つくらいすぐに逃げるし、本当に四苦八苦。
昔この近くで見たときはそんなに愛想悪くなかったと思うんですが、暑いから?

  
キバナノコマノツメ(左)も数株だけ発見。やはり黄色いスミレはかわいらしい。
過剰なほど勇猛な雰囲気のオニシモツケ(右)もあちこちで咲いていました。


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