本州再南端部探訪〜ツイてない日続編〜06.11/4

この日は、前々から企画していた紀伊半島南部来訪旅。目的は、もちろん南方系の虫と
海浜植物、そして紀伊半島ならではの渓流性のおもしろげな花たち。
さすがに本州最南端部。けっこう暖かくて半袖で歩き回れるほどで、さらに
花も虫もまだまだ賑やかに飛び交っていて、それなりに面白い出会いは多かったのですが、
無計画とタイミングの悪い悪天候やらなんやらが重なって、狙ってたものはやっぱりイマイチ
成果のない日になってしまいました。昨日の大きなマイナスがあったので、きっと今日は
なんか大きなプラスがあって辻褄が合うのだろうと思っていたのですが、そんな安っぽい
企みは神様がお見通しってことでしょうかね。ちぇっ、イヂワル。

<1>和歌山県古座市周辺

  
朝目覚めて、ものすごく黄色い日差しの中歩き始めると、さっそくキノクニシオギク(左)の群落や
タイキンギク(右)などが次々と姿を表してビックリ。さすがは南国の海辺だな。

  
さっそく前夜のうちに狙いを定めておいた海岸に突撃すると、トベラの実(左)や、
タチアワユキセンダングサ(右)などが次々と現れます。

  
そこここにサネカズラの実(左)が多数。マサキの地味な花(右)もありましたが、まぁなんせ
朝の日差しがすごすぎて、全ての写真が黄色っぽくなっちゃいます…

  
海辺にはハチジョウススキ(左)がまだビッシリと花粉をぶらさげていました
そして、見惚れるほど見事な実をぶらさげるカラスザンショウ(右)もありましたが、期待を裏切って
ヒタキ類などの鳥は全然いませんでした。こんなに食べ放題なのに、なんで?

  
海辺には、ハマアザミ(左)が本当に見事に満開でしたが、すぐ近くの林下には
ちょっと雰囲気の違うアザミ類(右)も発見。これもヨシノアザミかなぁ?

  
さてさて、うろうろすると、ようやく目的の蝶であるところのサツマシジミを発見。
予想外に見れる場所は限られていた上、警戒心が強いので難儀したものの、
粘るほどになんとかアップでの撮影にも成功。

  
やがて、陽だまりの中で、ゆっくりと開翅するサツマシジミ♂(左)を発見。1枚だけしか
撮影させてくれなかったけど… 他に開翅個体はいないかとウロウロすると、
なんとお次は目の前で、ヤクシマルリシジミ♀(右)がいきなり半開翅してくれました。

  
今回、なにより難儀したのは、サツマシジミなんかの多いのが、コセンダングサ(左)の群落周辺
なんですよね。おかげで、あっというまに上着はヒッツキ虫の山で毛皮状になってしまい
おおよそ着用に適さなくなりました。おまけに、そ〜っと近づく途中、袖がヒッツキ虫に触れると
あっという間に振動が伝わって草むらがザワめき、蝶に逃げられちゃうという繰り返し…
でも、一番驚いたのはその棘に捕らわれていたヤマトシジミ(右)ですね。何がおきたんだ?

  
うろうろすると、海岸から数mの水たまりにアメンボ類発見。これはウミアメンボ系か?と
期待したのですが、なんと渓流性のシマアメンボ(左)でした。なんでまたこんな場所に?
近くではイチモンジセセリ(右)ものんびりヒナタボッコ中。

  
面白かったのは、本当に久しぶりの出会いになるハマナタマメ。小笠原で会って以来の
4年ぶりの出会いかな?さすがに時期的に実ばかりでしたが、
まだ緑色のもの(左)から、茶色っぽくなったもの(右)まで多様でした。

  
さて、もう一度ヤクルリをとしばらく粘りますが、サツマシジミは飛ぶものの、
ほかはルリシジミ(左)や、ヤマトシジミ(右)だけで、なかなかヤクルリには再会できません。
ちなみに同地のヤマトシジミはかなり大型なので、まぎらわしったらありゃしない(笑

  
面白げな海浜植物(左)たくさんもあったのですが、名前はよくわかりませんでした。
そして、何故か波打ち際を、巨大なモンシロチョウ(右)がフワフワ飛んでいたので、こいつは
なんか迷蝶じゃないか、と追いかけて激写。でも、どうも普通のモンシロっぽいんですよね。
普段見るやつの2回りは大きかったんですが…ま、南国だから?

  
ついでに海岸をウロウロすると、イセエビ?の殻(左)やら、丸っこいカイメン類(右)やら
面白いものが次々と見つかりますが、この頃からかなりの曇天になって蝶の動きが停止(−−;

  
海岸には、ゴキブリ類の幼虫(左)がいて、これはサツマかなんか南方系のゴキブリか?と
期待しましたが、後で調べるとモリチャバネっぽいです。ナワシログミ(右)もかなり満開。

  
ハマナデシコ(右)も数花だけポツポツと咲き残っていましたが、磯近くでは、すっかり実を落とした
状態の群落(右)もたくさんありました。やっぱり海浜植物はいいかげんだなぁ。

  
そうこうするうち、ようやくヤクシマルリシジミ♂(左)を発見。しばらく粘ると、ちょっと
だけ翅表を披露(右)してくれました。いわゆるチラリズムですな。
この後大分粘りましたが、さすがに開翅する天候でなかったのでこれが最大値…残念!


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