黒部渓谷への旅 〜3日目:あっけない帰路編〜05.08/16

さてはて、天候に祟られた山紀行も最終日。
しばらく小屋の周りを探索してから帰路に着こうかと思ったのですが、空模様がまだ怪しかったのと、
「早く降りないとトロッコ電車はものすごい時間待つからね」という常連さんのお話を聞いて、予定変更。
だって遅くとも4時のトロッコ電車に乗らないと、明日の仕事をサボるハメになるんですもの。
というわけで、朝食後、友人とご主人に挨拶をしてスタコラ下山をはじめました。

 @ 阿曽原小屋〜欅平 <前編> 

  
スタート直前、小屋に別れを告げようとすると、洗濯物干し場の羽目板にキカマキリモドキ(左)が
いました。雄大な景色を見ながら、帰路のはじまりはじまり。

  
2泊お世話になった阿曽原小屋の周辺はこんな感じ(左)。
歩き始めるとすぐに立派なイワギボウシ(右)を見つけました。

  
しばらくはわりと急な登りの続く斜面を、ゼエゼエいいながら登ります。こんな感じに
ハシゴがずっとついている急斜面(左)も各所に。汗かきながら岩場を登っていると、不意に
小さな小さなピンクのかわいいキノコ(左)を見つけました。直径5mmくらいかな?

  
トチバニンジンの、実の一部が黒くなった、いわゆる「ソウシヨウニンジン」(左)をみつけたり、
ミヤマママコナの群落をみつけたりと、早速成果は盛りだくさんです。

  
水平歩道にさしかかると、周辺の渓谷の景色が本当に見事。雄大すぎて写真では表現が
不可能なのが悔しい限り。さらに昨日の雨のおかげで、そこここに立派な滝を見ることが出来ました。

  
そんな滝のある沢の一つを、気まぐれに登ってみると、シモツケソウ(左)を発見。
近くにはクガイソウ(右)もまだ咲いていました。

  
じっくり探すと、イワオトギリ(左)や、満開状態のヤマアジサイ(右)など、
結構いろんな花を見つけることが出来ました。でも、チョウは姿を表わさず…

  
さらに歩くと、腹ただしいことに、きれいに晴れてきやがって、一面の優美な景色。
最後の最後だけ晴れるとは、お天気の神様はそこらへんどう考えてらっしゃるのやら。

  
てなわけで、イイ天気になった水平歩道をひたすら歩きます。相も変わらず、踏み外したら
どこまでも落ちそうで、対岸を歩いている人を見ているとドキドキする道程です。

  
どこに道が通っているか、わかります? 本当にこんな感じの水平な道なんです。
聞いた話では、黒部ダムを作る時、調査のためにずっと平行につけれた道ということで、
かつてはもっと狭かったんだけど、転落者が続いたので現在は昔より整備された状態とのこと。
どんな執念がこの道を考えつき、どんな気持ちでこの道を掘り進んだ人々がいるのか。
どのくらいの人々の命を呑み込んだ末に、今、自分がこの道を踏みしめているのか。
しばし考えただけで眩暈がしそうな深い気分になりました。是非一度歩いてみて下さい。

  
さて、歩くほどにまたカニコウモリ(左)や、ジャコウソウ(右)など、ステキな花との出会いも続きます。
じっくり撮影しながらなので小屋で一緒だった人々に次々と追い抜かされて行ったりして…

  
こんなものもありました。まだ若く、名前の通りの雰囲気をかもしているノウタケ(左)と、
美味で有名なチチタケ(右)。もって帰ろうかと思いましたが荷物の都合で断念。


さらにガシガシ進むと、木立の間から、欅平の風景が見えるようになりました。
おっ、結構早かったジャン、と思ったのですが、ここからが実はまだ長かった(笑

というわけでここから先は続編でお届けします。


次へ⇒

topへ⇒