広島遠征〜花の名所を尋ねて〜05.04/24

広島県東城町帝釈渓<2>〜PM編〜

午前中ひたすらに歩き倒した帝釈峡の景色。
でも、逆方向に歩きなおしてみると、見落としていたたくさんの宝物との
出会いが待っていました。う〜ん、まだまだ観察眼が足りんなぁ。
しかし、6時間かけて来ているのだから、帰路は…えと、ちょっと気が遠くなりそうな…

  
というわけで、オオルリやキビタキ、センダイムシクイなどの春の小鳥の声が響く中、
ステキな雰囲気の渓流沿いをひたすら歩きます。
右は歩き始めてすぐの岩についていた立派なコタニワタリ。

  
渓流沿いを歩くと、面白いものを見つけました。
ケイリュウタチツボスミレ(左)です。なぜか増水時に水をかぶるような渓流沿いの
岩場にしか生えないというこちらも割と珍品のスミレ。
そして右はその近くで出会った、多分カエデ類の芽生え。鮮やかな赤が印象的でした。

  
そこいらじゅうに咲いていたのが、タカハシテンナンショウ(左)。
マムシグサの仲間は地方ごとにいろんな種類があって私には判別不能ですが、
識者の話ではこのあたりのはタカハシテンナンショウだとか。
渓流沿いにはウワバミソウ(右)もありましたが、期待していたムカシトンボには会えませんでした。

  
行きは林道を通りましたが、帰りはしばらく岩場への渓流沿いの道を歩きました。
沢沿いにはキビシロタンポポ(左)がポツポツと咲き、コンロンソウ(右)の大群落にも会えました。

  
渓流沿いの斜面にはまだまだたくさんのびっくりが待っています。
わりと驚いたのはヤマブキソウ(左)の群生が数箇所あったこと。
兵庫だと1〜2ヶ所しか産地が残ってないのに…
まわりにはエンレイソウ(右)の不思議な雰囲気の花もたくさん咲いていました。


石でできた古いトンネルの中で、何気なく外側を向けて撮影すると
妙に神秘的なショットになりました。う〜ん、ピラミッドとか風ですよね。

  
しばらく歩くと、石灰岩系の岩場になり、珍品の植物が目立ち始めました。
とても可愛いチョウジガマズミ(左)も何箇所もで咲いています。
この花、つぼみが赤いマッチ棒みたいでかわいいんです。
こちらも珍品、チョウセンヒメツゲ(右)もありましたが、花は見れませんでした。

  
と、歩いていると地面になにか黄色いものを発見。
こ、これは!!!
帝釈峡を代表する珍品、ヤマトレンギョウの花です。
とっくに花期は終わってると思ってたのにと、慌てて探すと、かろうじて花をつけている株を
いくつかみつけました。しかし全部が崖の上でやたら遠い…テレコンつけてこの程度です。

岩場を歩いてショートカットしたので、予定より少し早く(といってもすでに4時過ぎでしたが)
駐車場付近に戻れそうになったので、ダム湖沿いに少しだけ遠回りしてみました。

  
回り道では、ラショウモンカズラ(左)の群落もありました。
沢沿いではつぼみの株が多かったのですが、このあたりでは満開。なんで?
鮮やかな青が大好きなホタルカズラ(右)もポツポツと見られました。

  
よく見るとバイカイカリソウに混じってオオバイカリソウ(右)も見れました。
バイカイカリソウとトキワイカリソウの雑種です。
道中にもあったのでしょうが気付かなかったのかな?
そして右も同様の珍品植物。この写真ですぐに名前がいえたら結構すごいかもしれません。
こいつはジュウニキランソウ。ジュウニヒトエとキランソウの雑種なんです。

  
しばらく歩いて小さな尾根に差し掛かると、トリガタハンショウヅル(左)が、
地味ながら可愛い花を咲かせていました。
よく見るとそのすぐ近くにはこちらも可愛いニホントビナナフシの弱齢幼虫(右)がいました。

  
尾根の斜面にはスミレも沢山咲いていました。
たくさんのタチツボスミレに混じって、色鮮やかなシハイスミレ(左)や、
シロバナナガバタチツボスミレ(右)などもありました。

  
尾根を歩いていくと、最後のビックリに出会いました。
こちらも石灰岩地などに多いオオツクバネウツギ(左)です。
折りしも日も沈み始め、ダム湖からの風持つ欲、いつまでもユラユラと揺れ続ける花と
にらめっこしながら、風の合間を縫っての撮影となりました。
その近くではチョウジザクラ(右)の咲き残りにも出会えましたが、
もはや日は沈みつつあり、残念ながらイマイチのショットになりました。

実はこのあたりで、毎度毎度のばかばかしいハプニング。
広島県警より実家経由で、免許証が駐車場近くで取得されているので
預かってくれている商店に連絡をしろとのメッセージ。
昨日船越山で急斜面を下っていた時、派手にコケてズボンのしりポケットを
破っていたんだなぁと、昼前歩きながら気付いていたのですが、
免許証が入っていたのか。車のすぐ横に落ちてててよかったよかった、と思いつつ、
あわてて商店のほうに出向き、丁重にお礼を行ってまいりました。

いやしかし、本当に野草の楽園みたいな場所ですね。
今回は結局上帝釈だけしか歩けなかったし、今後は季節を変えて
何度か来訪してみようと心に誓いました。


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