豪雨の但馬で〜ずぶ濡れの幸運〜 10.7/4

この日は、またぞろ但馬にやってきました。当然ながらゼフ狙い。
本来はカルテットde但馬ツアーは1日延期の予定だったので
なんとか天気が復活しないかなぁとおもっていたのですが、
予報は思わしくなく結局中止が決定。
それでもせっかくだからと夜のうちに但馬入りをすると
早朝のレーダーでは雨雲がざくっと消えていてこりゃイケル!と
小躍りするも、山に登ると豪雨+濃霧のどうしようもない組み合わせに…
でも、そんな中でもヤケクソで走り回ってみると想定外の幸運が♪
全身ずぶ濡れ+トラブル連発でしたが、面白い1日となったのでした。

<1>但馬地方各所

  
というわけで、夜明け前にいつものコンビニに立ち寄ると、こんな
豪雨明けなのに大量の蛾が飛来していてびっくり。いったいいつ飛んできたんだ?
お約束なあたりでは、オオミズアオ(左)やウンモンスズメ(右)もいました。

  
少し高い位置に変な蛾(左)がいたので1枚だけ撮りましたが、後で調べると
珍品ワタナベカレハによく似ていることが発覚。もうちょっとマジメに撮りゃよかった!
不思議なポーズをしているイラガ(右)にも遭遇しました。

  
のんびりぶらさがっているコウモリガ(左)も発見。かわいいビロードスズメ(右)も
いたり、初手から結構テンションがあがりましたが、山を登ると
上部はなんと豪雨。腹が立ったのでしばらく車の中でフテ寝することに(^^;

  
いつまでもブーたれてても仕方ないので、歩き始めるとなんと
今週もまたI氏に遭遇。やっぱ来る人はこんな天気でも来るんですね(笑
しかし、話を聞くと朝一で下草にヒサマツが降りていたとのこと!
俄然気合が入ったので雨の中で長竿を振り回すと、なんと梢から、怪しいサイズの
ゼフがパラパラと飛ぶんです。でも、この雨の中だというのにどいつもこいつも
やたら元気にフワフワと飛んでいってしまって、降りてくれたのはフジミドリシジミ♀のみ。


その後も、場所を変えてさらに挑戦すると、パラパラゼフが登場。でも降りない。
必死になっていると、ベキッ!長年こき使っていた長竿が折れちゃいました。
諦めろってことかなぁ、という考えが頭をよぎりましたが、ナニクソということで、1節封じ込める形で
ガムテープをぐるぐる巻いてさらに気合を入れて梢をバシバシ。
すると、次にフワッと飛んだやつの翅表に、なんと赤と青の模様が一瞬はっきり見えたんです
この場所でその色ってことは、つまりアイノ♀かヒサマツ♀。
こ、これはとんでもない大事件ですぞ!

  
二人とも一気に逆上し、ザザ降りの雨も気にせずに汗だくで長竿ととっくみますが、
ゼフは数は多いものの、ほぼすべてフワフワと飛んで崖下に下りてしまうんです。
しょうがないのでそれに混じって登場したミヤマサナエなんて撮ってみたり。

  
そうこうするうちに、ようやくアイノミドリシジミがご登場!
それも白条は目立つし翅が丸っこいのでおそらく♀。だとしたら初撮影になります。
う〜〜ん、初手からこれですから、雨も苦にならない感じですねぇ。

  
その後もアイノミドリシジミ(左)は何度か登場しましたが、ほとんどが近づけない位置に
しか降りてくれませんでした。そして、さらにバシバシしていると、なんと
何の前触れもなくヒサマツミドリシジミ♀(右)がフワッと登場したじゃないですか!
案外敏感で遠目から数枚撮っただけで逃げられましたが…

  
さらに粘っていると、へロヘロになったころに、ヒサマツミドリシジミ♀が再登場!
少し高いところの葉上でじっとしてくれたので、
望遠で数枚(左)撮ったあとで、真下に車を乗り付けて屋根によじ登り、
アップでの撮影(右)も無事に成功したのでした。
もう感涙。涙と汗と雨とでグショグショ状態ですが、挑戦してよかった!

  
さらに挑戦していくと、再びアイノミドリシジミ(左)もご登場。
そして、I氏がウラクロシジミ(右)も見つけてくれたんです。成果濃厚だなぁ。

  
さらに頑張ると、もう1個体、ヒサマツミドリシジミ♀が登場。
葉上でのんびりしているので、このまま雨が上がるまで粘ったら開翅するか?
などと期待しましたが、しばらくするといきなりバサッと飛んで逃げやがりました。

  
しょうがないので先に見つけた少し高い場所のヒサマツ♀のところで
しばらく粘って開翅を狙うことに。さすがにくたびれましたし。
でも、ここで一発目のトラブル発生。ふと気づくと後輪がパンクしてやがるんです。
K氏のジャッキを借りてタイヤをはずすと、いいサイズのネジを踏んでいたことが判明。
スペアタイヤに無事交換し、これで一安心、あとは気合を入れて待つだけよ、
などと談笑していたんですが、予想外な事に、空の栓が抜けたかのような豪雨の中なのに
ほんの数分目を離したスキに先ほどの♀はどこかに飛去。
いや、大雨だぞ、肌寒いぞ、湿度200%だぞ。どうしてそんなに元気に動けるんだ?

  
その後、悔し紛れにさらにバシバシたたくと、ゴイシシジミ(左)やら
イカリモンガ(右)やらが出ましたが、湿気でレンズが曇っちまってろくに撮影できず、
さらにゼフの活性があがったようで一切降りてくれなくなったので
ちょっと一休みということで下山してメシ調達に行くことに。へロヘロでしたし(笑

  
しかし、山を下りきったあたりで雨が上がったので、おっしゃと期待を膨らませましたが、
再度上り始めたら突然のものすごい濃霧。一瞬窓の外が真っ白になるほど。
そして、この日の2番目の悲劇が発生。
山道を登っている途中で、一際濃い霧塊に包まれて、うわっ見えねっ!と
思った瞬間に路肩の溝に見事に脱輪(左)したんです。たはは。
しかしこれが山奥なので電波がなかなか入らないわ、ようやくJAFに連絡して
場所を説明すると「そんな道地図にはありません」といわれるわ、
散々な展開で、2時間近くをムダにしてしまう羽目に。
もっともようやく山頂に登ったら一面のホワイトアウト(右)でしたから、
貴重な時間をロスして悔しい!という状態ではなかったわけですが(笑

  
しばし山頂で粘るも、数メートル先が見えない霧なのでさっさと断念。
少し移動してキマダラルリツバメのポイントに来てみましたが、ちょっと時期が遅すぎたようで
おんぼろの♀が1匹いたばかり。尾状突起が足りないどころか全部ない。翅表真っ黒だし。

  
あたりをうろつきますが、キチョウ(左)が何匹か飛んでいただけ。
久々のシロオビナカボソタマムシ(右)を見つけるもどアップ撮影前に逃げられるし。

  
チャタテムシ類(左)の不思議な井戸端会議にも遭遇。なにやってんの?
これじゃあかんと少し高い場所に移動すると、ホシホウジャク幼虫(右)が登場します。

  
あたりをうろうろすると、新鮮なハヤシミドリシジミが数匹登場!
でも、まだ出始めのようで個体数はごく少ない感じでした。その後も粘ると何度か
キマルリっぽいのが飛んだり、ウラミスジシジミが出たりしましたが
いずれも撮影チャンスはないまま、濃霧にまかれて終了というオチでした(^^;

というわけで、予定外の豪雨+濃霧ではありましたが、
予想もしない面白い出会いが続いた一日となりました。
ゼフの数は結構多くて、ほとんどはどこかに飛び去ってしまうし、
たまに近場に降りてくれても活性が高く、豪雨の中で撮影は難儀ではありましたが、
大珍品の象徴、ヒサマツミドリシジミ♀がばっちり見れたんですから感激です。
これは豪雨ならではの現象なのか、単にものすごくタイミングがよかったのか、
神様のいたずらなのか、理屈はまったくわかりませんが、
大雨の中、カゼひきながらの挑戦は、ここに見事に報われたのでした♪
しかし、今回の発見で、豪雨の日でも楽しめるということがわかった反面、
雨の日でもギブアップできなくなってしまいました。嬉しいような、シンドいような(笑


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