敗北の上塗〜デジャビュな上高地〜 09.7/26
  
<2>上高地周辺 続き

  
さて、その後もウロウロすると、グンナイフウロ(左)やら、
シナノキイチゴ(右)やらといった面白い花が次々登場します。
ふと花畑の中に、あきらかに玄人風のお方を発見。私の得意技である
あつかましい押し掛け技で、あれこれと教えていただいていると、
やはりこの辺りが一番確率の高い場所とのコト。よっしゃ、粘るぞ!

  
ということでさらにウロウロすると、シロトラカミキリ(左)を発見。
ニンフハナカミキリ?(右)もいたり、カミキリ類は本当に豊富ですね。
#右はアオバホソハナカミキリだそうです。Mikiさんありがとうございます!

  
かわいいかわいいモンクロキイロナミシャク(左)にも何匹も逢えました。
いわゆる高山蛾なんですが、ものすごいキレイでしょ?でも警戒心が強くて
これが唯一近寄って撮れたショットでした。
その後、なんとヒメキシタヒトリも一瞬見るも、こちらは撮る前に飛ばれて残念。
そのかわり、えらくこれまたかわいらしい、シロスジベッコウハナアブ(右)に逢えました。

  
やがて、薄日が差してきたのでドキドキ。ハクサンフウロ(左)やら、
クガイソウ(右)やらに吸蜜にきていないかなぁとひたすらウロウロします。

  
ふと気付くと、マルバダケブキ(左)も1株だけ咲いていました。
トモエシオガマ(右)もポツポツと咲いていたりします。

  
ヒメキマダラセセリ(左)もご登場されました。こちらもベッタリ全開翅ですね。
そうこうするうちに、セセリチョウが飛んだので大慌てでスッ転びつつ
おいかけてみると、なんとそれはイチモンジセセリ(右)。まぎわらしいっつうの!

  
かわいらしいシロオビクロナミシャク(左)も姿を見せました。
エゾスジグロシロチョウ(右)も何度も登場しますが、肝心かなめの大目的は
一向に姿を表さず、そろそろタイムアップかな、ということで諦めて下山開始。

  
しかし、交尾中のヤツボシハナカミキリツマグロハナカミキリ(左)やら、ひげのひょろ長い
ドウボソカミキリ(右)やらを見つつ、山を下っていると、いきなりバサッと晴れたんです!
ちょっと待て、そんな兆候は微塵もなかったぞ!
などと叫びながら、ものすごい勢いでツッ走って先ほどの場所に駆け上がりますが、
息切れ&眩暈で立ってなくなるほどになりつつ到着する寸前にまた雲が広がり、
先ほどのポイントについた途端、雨が降ってきました。
ねぇ、神様、私のこと嫌いでしょ?絶対そうなんでしょ?
#右はミヤマドウボソカミキリでは?とのご指摘をいただきました。

  
ふと、道端にオニシバリっぽい実(左)を発見。亜高山帯にもあるものなの?
そんなこといっている間に雨はますます強くなり、クモマベニヒカゲ(右)は
葉陰で雨宿りをしていらっしゃいました。とほほほ。

  
泣き濡れて再び下山する道中で、先ほど玄人の方が、
「あっちの方に行くとかなり危険だけどタイツリオウギの群落があった」と言って
らっしゃったのを思い出して、ヤケになりつつ挑戦。
すると、その言葉どおり、モノの見事に大満開のタイツリオウギが現れます。

  
じゃぁ、ここでヤリガタケシジミが出たら逆転ヒットだけど、そうはいかんわな。
そう自虐的に笑いつつ、引き換えしていると、目の前にフワッと小さな影(左)。
え、これは、もしかして!?
と慌てて1枚撮るとこの個体は飛んでしまって、しばし画像を見ながらヒメかアサマかと
悩む羽目になりました(多分、これはヒメなんですよね?)。
しかし、悩みつつ歩いているうちに、今度は正真正銘のヤリガタケシジミ(右)が
目の前に登場したじゃないですか!もう完全にパニック!

  
うろうろすると、その周辺では何匹かのヤリガタケシジミ(左)を発見。
じっくり粘ると、ほんの少しだけ翅表をチラ見せ(右)してくれる個体もいました。
さすがにこの時点でも小雨がパラついていたのでこれが限界でしたが
なんともかんとも嬉しい限りじゃないですか!!

  
さらにうろうろすると、ヤリガタケシジミの♀もご登場。
こちらも開翅はしてくれませんでしたが、これまた嬉しい出逢いです。

  
ヒメシジミらしき個体(左)も何匹か混じっていました。
前回の霧ケ峰で見たときは、ヒメシジミとアサマは全く大きさも違う、裏面の色合いも
違うじゃん、なんて余裕かましてましたが、この場所の個体は
大きさも色合いも大差なくて悩ましいことこの上ありませぬ……
(間違っていたらこっそり教えてくださいね)
近くでは、雨粒をまとったクモマベニヒカゲ(右)もいたりしました。

  
ふと気付くと、このドシャブリの中、羽化しているハネナガフキバッタ(左)を発見。
なんも今日やらんでもいいだろうに。翅乾かないだろうなぁ…
近くには勇猛な雰囲気のタカネヨモギ(右)もあって嬉しくなったりしましたが、
その後、ガレ場を下って元のルートに戻るのにかなりの大苦労をしました(^-^;)

  
さて、山麓まで戻ると、出迎えてくれたのは、驚いたことに
大満開のニワトコ。このパターンは過去に何度か経験していますが、
この時期に早春の花に逢えるとは、よほど根雪が深かったんですかね。

  
さらに下っていくと、雨が酷くなってもう大豪雨という感じ。
道端にかわいいコフタバラン(左)をみつけたり、河原に大満開のシナノナデシコ(右)を
見つけたりしましたが、当然オオイチモンジなんて飛ぶはずもありません。
っていうか、今回は傘無し、合羽のみだったので、デジスコが壊れちゃうのを恐れて
道中の花とかはほとんど無視してひたすら歩くハメに…

  
しかし、最後に大事件発生。
ふと見た道端の笹に止まっているのは、なんとコヒオドシ幼虫じゃないですか!
近くにイラクサがあったので、今からちょうど蛹になるところみたいでした。
これはさすがに撮らねばならぬ!ということでずぶ濡れになりつつバシバシ連射。
その後は、より一層強くなる雨の中、全身濡れネズミでヘロヘロに疲れつつ
バス停まで戻り、フラフラになりつつ帰路についたのでした。

というわけで、ものすごくデジャビュな一日でした(ToT)
さて、勢い込んで実施した実験の結果は…
「オオイチもタカネキも雨だと登場しない」
いや、そりゃそうジャン、てか前提条件変わってんジャン、みたいな。
なんだって、リベンジに来てまたぞろえらい土砂降りに降られなきゃならんのか、
自分のヒキの弱さと、今年の長梅雨に涙が出ます。
しかも、この日の悲劇はこれで終わらなかったんです。
帰宅後、撮影画像を確認しようと我がヘッポコ愛機を起動しようとしたら…
なんと電源入れようとしてもウンともスンとも言わない(T_T)
なんと、今回の雨の中での酷使でついに天に召されたらしんです。
(同型の予備機は購入済みなのが不幸中の幸い)
まぁ、クモマベニ&ベニと、予想外のヤリガタケシジミこそ嬉しかったものの
大本命大空振り+体力全使い切り+愛機故障では
ちょっとプラスマイナス計算するとえらく赤字な気がするのは気のせいだろうか…
ここまできたら、もはや”宿縁”という状態ですね。
いつか必ず、あれこれまとめてリベンジかけちゃいますぞ!


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