くたびれ儲け〜雨の紀州で〜 09.5/24

この日は、またバカバカしき挑戦をやってまいりました。
前々からこの時期に一度探してみたかったとある花への挑戦です。
狙う山道はさほど長くないので、短時間ですっぱり終ると予想し、
朝一は全く別方面に足を伸ばそうなどという贅沢な予定も立てていましたが、
天気予報を裏切って朝から大雨になったので、急遽コース変更。
でも、雨の中トライしたこの場所は、予想以上に道が悪い場所が多く、
結局汗まみれになったあげくに道に迷い、脚をくじき、
散々な目にあった上に、予想の倍以上の時間がかかって
他の場所には挑戦できなくなったり。
主目的の花も結局空降りのなんか成果僅少な「くたびれ儲け」な1日でした。

<1>三重県某所

  
というわけで、雨の中を歩き始めると、道沿いにたくさんあったのは
こちらのヤブウツギ。なにげに見る機会が少ない花なので初手から盛り上がったり。

  
目的の場所は、こんな深〜い渓谷もあるような深山幽谷でした。
歩き始めると、さっそくギンリョウソウ(右)が出迎えてくれたりします。

  
うろうろすると、初手から怪しいランを発見。
縮れた葉からしてスズムシソウ類で、多分環境的にフガクスズムシでは?
ということで、またしばらくしたら再訪したいなぁとも思いましたが、
実はこの時点ですでに登山道から外れていたらしく、この先思いっきり
迷いました。さすらいまくったあげく、沢の反対側に登山道を見つけた次第で…
この場所もう一回来いといわれても自信がないなぁ。

  
なんだか面白い雰囲気のキノコ類(左)もありました。
道端の崖には、イワタバコの葉(右)が一面に着生。いい雰囲気だぞ。

  
なんだか面白い葉(左)もありました。ユリ系だとは思いますが…
こういう場所のお約束、ハコネシダ(右)はアチコチで群生していました。

  
イワヒバ(左)もポツポツと着生しているのを確認。
林縁では、ウツギ(右)が大満開に咲いていて、なんともいえずいい感じです。

  
岩場には、立派なシシラン(左)がたくさん着生していました。
その中に、一回り小さくて細いもの(右)があり、これがクラガリシダかとバシバシと
撮りましたが、図鑑を見るとなんとも微妙。シシランの小さなやつなのかな?

  
うろうろすると、キノコ類はいろいろと見れました。お名前調査中。
左右いずれも美味そうな質感で、持ち帰って齧ってみようかと本気で
思いましたが、とりあえずやめておくことに。
#左がウスヒラタケ、右がシイタケだそうです。嗚呼、持って帰りゃよかった(笑

  
湿地沿いだったので、ウワバミソウは大株がたくさんありました。
ちょっと天気がイマイチだったけど、きっとトンボも面白い場所だろうなぁ。

  
ウワバミソウの花(左)はドアップで見ると予想外に面白い造形ですね。
実になったショウジョウバカマ類(右)もありましたが、これは普通のショウジョウバカマとは
雰囲気が違いますね。シロバナショウジョウバカマでいいのかな?

  
惚れ惚れするほどに立派なナルコユリ(左)もありました。
そして、かなりビックリしたのは、目の前からオオルリ♀がすごい勢いで
飛んで逃げたな、と思ったら、そこには作りかけらしき巣(右)があったんです。
これがなんと登山道沿いの岩壁。普通に手づかみできそうな場所なんです。
ここで一句。「どんくらい 人通らんのや この道は」。お粗末。

  
コウライテンナンショウ(左)もポツポツと咲いていました。
渓流沿いではシャクナゲ類(右)が何箇所かみつかりましたが、さすがに花はなし。
場所的には、ツクシシャクナゲとかになるのかな〜。

  
のそのそと歩き回るオオセンチコガネ(左)もいました。
沢の中を見ると、なんと憧れのナガレヒキガエルの死骸(右)も発見。
けっこう気合入れて探したんですが、生きてるのには逢えずに残念!

  
さらにうろうろすると、渓流沿いの岸壁に、サツキらしい樹(左)を発見。
さすがに花は終わってましたが、1つだけ落ちているやつ(右)がみつかりました。
なにげにこれも自生を見るのは初めてなんですよね。花の頃に再訪したいなぁ。

しかし、このあとがえらいことでした。
登山道は二股に分かれていたのですが、メインではない滝の方まで行ってみよう
ということでずんずん進んでいくと、なんか途中から妙に道が細くなる。
沢沿いでプイと消え、とりあえず対岸に渡るとさらに細い道があって、
歩くほどにえらい急傾斜のガレ場を登っていくんです。
え、こんなとこ進まんきゃいかんの?
汗まみれでしばらく奮闘し、相当高く上ってきたあたりで
道は捕まる場所もない急斜面の幅20cmほどのラインとなりました。
ここでようやく、「ここは登山道がなくて、辿ってきたのはケモノ道だ」という事実を発見(笑

  
戻るのも怖いので、さらに大回りして分岐点方面に戻ろうとすると
途中でどこを間違ったか道に迷って、ガレ場をグルグルとさ迷うハメに…
所々に落ちているトチノキの花(左)が印象的だったり、ものすごい羽化不全の
コジャノメ(右)に驚いたりもしましたが、
最後は、ようやく登山道が見えてきたぞ〜!ってとこでうっかりと足元が
おろそかになってしまい、ガレ場をかなりの勢いで滑落。
幸いにしてカメラ等に損害はなかったものの、おもっきり左足首を挫きました(ToT)

  
ヒョコタンしながら、しょうがないので帰路に向かうと、道端には
大量のタマシダ(左)がありました。南国風味だね。
頑張って産卵しているガガンボ類(右)にも合いましたが動きが速くてロクに撮れず。

  
沢沿いには面白そうな葉をつけた樹木(左)があったので、しばし見てると
黄色い花(右)もついてました。ちょっと形がハンパだけど、ヤマグルマかな?

  
沢の深い瀬には、アマゴも何匹も泳いでいました。
ちょっと降りていける雰囲気ではなかったので望遠で撮影するとほぼ全て
ブレてしまいましたが、数も案外多いみたいですね。その後、釣人にも会いました。

  
そういえばお久しぶりのコバンノキ(左)もありました。
タニギキョウ(右)はまだあちこちで白くて清楚な花を見せています。

  
こんなんもありました、ってものすごく見にくいですが。
これ、花芽をつけたムヨウラン類なんです。花が咲かないとよくわからないん
ですが、なんとなくクロムヨウランかなぁ?
そんなこと考えているうちにようやく駐車場に到着。
10時ごろには戻れると思ってたのに、すでに時間は1時過ぎ(笑
とりあえず足は痛いしヘロヘロだし、しばらく車の中で仮眠することに…

  
さて、起きた頃にはすでに別方面に回れる時間ではなかったもので
いろいろと考えて、前から言ってみたかったとある池を目指すことに。
移動中、満開のハナニガナ(左)やら、実をたっぷりつけたビワ(右)やらに遭遇するも、
移動し始めてすぐにけっこうな雨になってしまって再度ゲンナリ。

  
さて、狙いの池まで来ると、道端にヤナギイチゴ(左)があったり、
ホウロクイチゴ(右)があったりしましたが、明らかに池の環境が期待していたものと違う…
そこで慌てて地図を見ると、同じな前の池が2つあることを発見!
あ、しまった、間違った方に来てしまったみたいだ〜〜(ToT)

  
大急ぎで移動していくと、途中で再びかなりの雨に。
道端にアブラギリがあったのでバシバシと撮ったりしているうちに、いきなり
雨の勢いがハンパなくすごくなって、空の雲に穴が開いたんじゃないかという豪雨に。
ワイパーがまるで効果がないというほどの勢いにゲンナリし、
夕刻が近づいていることもあってGIVE UPして帰ることにしたのでした。とほほ。

  
帰路、高速のSAで立派なオオミズアオ(左)やら、蛾をモサモサと食べている
エゾカタビロオサムシ(右)に会えたのがささやかな成果かな?
というわけで、なんら成果のないくたびれ儲けな1日は終わったのでした。ちゃんちゃん。

というわけで、本当にくたびれ儲けでした。
近年久々なくらいのスッ空振り。本命だけでなくおまけ僅少ですし、
考えていたスケジュールも裏目裏目に廻って
結局本当に行きたかった場所には全然回れなかったし、
最後の最後で池も間違った方に行っちゃうし、
おまけに雨で、道に迷って、脚挫いて……
う〜ん、なんか神様に嫌われたかなぁという感じですね。
ま、今回の場所は季節をずらしても面白そうだということはわかりましたし、
今回空振りした花にもぜひともリベンジしたいですから
また機会を見つけて再挑戦することでしょう。
今度は雨じゃない日に、きっちり下調べをして、
登山道未整備区間には近づかないという方針で、ですね(笑)


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