房総に宝石舞わず〜曇天惨敗記〜 08.11/2

この日は、前々から約束していた房総再挑戦。
この時期の房総といえば、そう、ルーミス様への再挑戦なわけです。
時期的には、開翅を狙うにはちょうどイイシーズン。
訪れるのは夏にかなりの数を見れたというO氏ご推薦のポイントで、
天気予報はばっちり晴れマーク。こりゃ、ウハウハでしょう♪
などという明るい未来予想の元、早朝にO氏と合流したのですが
「な〜んだか一面にべったりと曇ってんだけど、天気予報と違うネェ」。
この一言が、予想外の一日を暗示していたとはこの時は気付かなかったのでした。
ここんとこ天気予報は、ピンポイントで裏切るんですけど。トホホ。

<1>清澄山周辺

  
というわけで、な〜んだかえらく暗い空模様の中、歩き始めると
そこここに花ざかりのキッコウハグマ(左)を発見。なかなか開放花には会わないのに
あるところにはあるのねぇ。アップ(右)で見ると、なんともすばらしき造形でしょ?

  
驚いたことに、咲き残っているタマアジサイ(左)もありました。えらく時期ハズレで。
センブリ(右)もあったものの、小さな株ばかりで迫力がありません。

  
うろうろすると、イイ雰囲気の実をつけているサンショウ(左)も発見。
ビッシリと花をつけているツルグミ(右)なんかもありました。

  
イヌツゲにしてはえらく大柄な葉の樹(左)も発見。これ、ツゲでいいのかな?
近くには、これまたえらく巨大なザトウムシ類(右)が鎮座していました。

  
かわいらしい、サラシナショウマ(左)も数株だけ発見。
結構驚いたのは、かなりの大群落になっていたオニシバリ。
あまり群生するイメージはないんですが、これはすごいなぁ。

  
O氏に、この前コウモリがいたというトンネルを案内いただくと、
天井に差し伸べた明かりの中に浮かび上がったのは、オオゲジの大群(左)。
これが、帯状にビッシリとトンネルの端から端まで続いていました。
「フラッシュに反応して落ちてきたらどうしよ〜」とドキドキしながら撮影。
んで、進んでいくほどに何箇所かに可愛らしいコウモリ(右)が浮かび上がります。

  
暗くてAFがロクに作動せず、かなり枚数切ってピントが来てたのは数枚。
とりあえず調べてみると、ユビナガコウモリ(左)と、キクガシラコウモリ(右)みたいですね。
しかし、コウモリは洞穴性のもの以外はなかなか見る機会がないんですよね。
一度じっくりと探してみたいものですねぇ。今冬に挑戦しようかなぁ…

  
なんだか面白い雰囲気の花付きになっているアキノキリンソウ(左)もありました。
そのあたりで、いきなり登場したのはホソミオツネントンボ(右)。
越冬直前の個体は久しぶりなので感激しましたが、この後、結構な数が見れました。

  
さらにビックリは続きます。え?と聞きたくなるほど至近距離でボ〜ッと
していたのはなんとかわいらしいアトリじゃないですか。
バシバシと撮影すると、おもむろに動き出し…餌を取り始めました。
てっきり飛んで逃げると思いましたが、なんだってそんなに大物風味なんでしょ?

  
なかなか気温が上がらないので、さらにうろうろしていると、カントウカンアオイ(左)を
発見。この時期でももう花が咲いているんですねぇ。
近くには、ミヤマウズラの葉(右)もありました。これは模様がきれいだなぁ☆

  
ブンブンとスズメバチが飛び交っているのでよく見ると、
道端にオオスズメバチの巣(左)があってビビッたりもしました。
気付かずに踏み込んでいたら、危ない目にあったんでしょうねぇ…
リュウノウギク(右)もかなり咲いていて、秋の深まりを実感しました。

  
さらにウロウロすると、オオアオイトトンボ(左)が何度か出現。
ホソミオツネントンボ(右)も何度も出現して面白い感じです。

  
うろうろすると、見事な感じで実をつけているゴンズイ(左)に遭遇。
あたりには面白そうな野菊類(右)があったので適当に撮りましたが、
シロヨメナかと思いきや、これはアキハギクという別種なんですねぇ。奥が深い。

  
小さな沢の中を歩いてみると、クロコノマチョウ(左)が出現。
水に濡れた石の上に面白い雰囲気のクモの巣(右)があったのも発見でした。
なんでワザワザこんな場所?カゲロウとかそういうの狙うのかな?

  
ひっそりとサワガニ(左)が隠れていたりもしました。面白そうな雰囲気の
ミズの仲間(右)もありましたが……これもヤマミズでいいのかな?

  
ビックリしたのは、ものすごい大群で泳ぎ回っていたオナガミズスマシ類(左)。
O氏がなんとか1匹捕獲してドアップ(右)も撮れましたが、
種類は調べてもイマイチ分からず。コオナガミズスマシでいいのかな?

  
砂地には、キョンのものらしき足跡(左)もありました。そして、林道を歩いていると
向こうからものすごい勢いで走ってくるキョンに遭遇すると言う一幕も!
でも、それがあまりにもすごい勢いで一直線にこちらに来るので、
O氏共々、カメラを向けるのも忘れて慌てて退路を探してしまって、
キョンがクルッと曲がって林に消えた後で、猛烈に後悔(ToT)
しまったぁ、二度とないチャンスだったような気がするぞ〜!
そんなこと思っていると、これでもかと言うくらい大量の実をつけたクサボタン(右)も発見。


やがて、雲が切れてサ〜ッと日が差してきたら、梢の上を小さな蝶が舞いました。
「あれだ!絶対に間違いない!」というO氏の声に慌ててカメラを向けますが、
日差しの強烈に差した葉の上に、ほぼ水平に開翅して止まりやがって…
一応、画面中央に写っているのがルーミスシジミです。わかります?
指くわえてみているとツイと飛んだのですが、再びス〜ッと雲が出てきたら
そのままいくら待てども再登場してくれませんでした。
あのあたりに止まった、というのは分かるんですが、四苦八苦して
樹を揺らしてみても動かないんですよ。これは厳しいなぁ…

  
まだチャンスはあるだろう、ということでうろうろするとヒミズの死骸(左)を発見。
すっかり花は終わっていましたが、ナガバノコウヤボウキ(右)も結構ありました。

  
さて、その後もしばらくイチイガシ(左)の前で粘りますが、雲は厚く、
ルーミス様は全く姿を現しません。変わりに姿を見せたのは、オオホシカメムシ(右)。

  
イイ雰囲気のタイアザミ(左)も咲いていました。面白かったのは、近くにいた
フキバッタ類(右)。一見メスアカフキバッタ風なんですが、分布域的にこのあたりは
タンザワフキバッタなはずなんですよね。タンザワのセアカ型?
しかし、その後もしばらく粘れど動きはなく、諦めて場所を変えてみることに。

  
お次の場所でも、キッコウハグマ(左)はたくさん咲き誇っていました。
ここでも面白そうな野菊類(右)に会いましたが、これは一応シロヨメナかな?
しかし、天候は全くよくならず、それではと歩いてみた尾根道はアップダウンがバカみたく
激しいくせに面白そうな環境は皆無で、ただくたびれるだけ…

  
驚いたのは、樹液に捕らえられたらしきセミの死骸(左)。結構シュールな絵ですね。
毒キノコのカキシメジ(右)なんかもありましたが、それ以上は面白い出会いもなく、
改めて最初のポイントに戻って日没までひたすらネバって終了。
結局ルーミス様は、一度だけそのお姿を拝んだだけに終わったのでした。とほほ。

というわけで、予想外の展開となりました。
「樹上をたくさんチラチラ舞ってるんだけど、なかなか降りてこないよ」
という展開は覚悟していたんですが、まさかほとんど見れないなんて…
というわけで、今回(および以前の敗退)の学習結果。
『ルーミスはピーカンでないと見れない』
そう、夏だろうと秋だろうと、メチャクチャ晴れて気温も高い状態じゃないと
いけないみたいですね。いやはや、勉強になりました。
まぁ、幸いにして成虫越冬ですから、和歌山方面で何度か再挑戦したいと
思っております。ばっちり開翅を目指して粘るぞ〜!


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