涼夏の但馬にて〜ウスイロ幼虫調査〜 08.8/31

<2>ハチ高原周辺 続き  

  
さて、ハチ高原に到着して、さっそく歩き始めると、目についたのはそこいら中で
ものすごい大群落になっていた、シシウド(左)。これいつは見事の一言。
調査をはじめると、草地の中では見慣れないセリ科植物(右)も発見。葉の形を見ると、
イブキボウフウのようですね。ハチ高原あたりにもあるんだなぁ。
#さらに予想外の、セリモドキだとのご指摘をいただきました。前々から憧れの花
#だったのにこんな身近にあるなんて、ビックリ。そして、超予想外!
*****

  
さて、汗まみれになりながら調査開始。草を掻き分けながら
ウスイロの幼虫を探していると、ナキイナゴ(左)やら、ヒガシキリギリス(右)やらが登場。
ちなみに、このキリギリス、えらく茶色いですが、色彩変異?

  
ススキのヤブの中では、今年もオオナンバンギセルを発見。
まだ花芽(左)の株が多かったのですが、開花株(右)もいくつも見れました。

  
さて、肝心のウスイロヒョウモンモドキの幼虫はというと、数箇所で確認できました。
昨年に比べると、成長が少し早い感じかな?ま、健在で何より。

  
ヤブキリ類(左)もいました。ここのは…ヤマヤブキリ?キンキヤブキリ?
えらいこと細分されちゃったので、ちょっと手が出ませんネェ。
ヒョウノセンフキバッタを食べている、オオカマキリ幼虫(右)なんてのにも遭遇。

  
ホクチアザミ(左)も、数株だけでしたが、すでに咲いている株を発見。
そして、1花だけでしたが、早くも咲いているウメバチソウ(右)があって驚きました。

  
草地では、カヤコオロギがやたらとたくさんいる区間もありました。比較的稀種なんですけど、
いるとこにゃいるのね、ということで♀(左)、♂(右)ともばっちり撮影。

  
オナガササキリ♀(左)もいました。しかし、なんだってこんなに長い産卵管が必要なんだ?
んで、ちょっとビックリしたのは、狂い咲きしていたクリ(右)。まぁ、季節感わからんわな。

  
ジャノメチョウ(左)がならんで吸蜜しているという面白い風景にも会いました。
ちなみに、吸蜜している植物はよく見たらサケバヒヨドリなんですね。
そのあとで、ヨツバヒヨドリの大群落(右)も発見。でも、ここにはなにも来てませんでした…

  
最後に、予想外の場所でもウスイロヒョウモンモドキ幼虫(左)を発見!
少しずつでも分散してるということで、嬉しい記録となりました。
アップ(右)で見ると、可愛らしいですよね。これで4齢とのことです。

<3>豊岡盆地周辺 

  
さて、調査終了後、お次に立ち寄ったのは、豊岡盆地。
しばらくだけ真夏の日差しが戻った川沿いを歩いていくと、シオカラトンボをお食事中の
ナガコガネグモ(左)なんか見つけましたが、狙いのナゴヤサナエはというと、
遠くを飛ぶ個体(右)を1匹見ただけで、昨年多産していたポイントにも1匹もいませんでした。
時期的にはいいはずなんだけど、なんでじゃ?毎年場所がかわるのかなぁ?

  
かわりに見れたのは、アジアイトトンボの交尾(左)。いや、かわいんだけどね。
そんなこと言いながらうろうろすると、カワラニンジン(右)なんかも発見。

  
さらに転戦した場所では、初手からタコノアシの群落(左)に出会えました。
えらいこと巨大で勢いのいい、キンガヤツリ?(右)にも遭遇。

  
よくよく探すと、サデクサ(左)やら、ホソバイヌタデ(右)やら、このあたりの
河川敷ならではの特徴的な植物も発見♪

  
えらく巨大なテンツキ系の植物(左)も発見。お名前はなんだろう?
溜池状になった場所では、ホザキノフサモ(右)も大株をいくつも発見。

  
こんなもの(左)ありました。これ、一応花なんですけど、わかります?
正解は、クロモの雄花。花粉を水面に漂わせるんですよね。
あと、こちらは花はまだでしたが、ミズアオイの大株(右)もいくつか見れました。

  
この場所では、セスジイトトンボ(左)が多数。でも警戒心が強くてこれ1枚撮れただけ。
あと、産卵中のギンヤンマ(右)もいましたが、これもテレコンつけて無理やり撮っただけで
なかなか近づけませんでした。ちなみに、この♀、翅がやたらと茶色いうえに、腹部が
えらいこと真っ赤です。これは単なる色彩変異、ですかねぇ?

  
最後に、思い切って移動したのは、昨年も来た山間部の水田地帯。
この場所は、段々畑風で効率が悪いからか、やる気がないのか、すごく雑草まみれで
楽しいんですよ。場所によっては、稲よりアギナシの方が多い(左)くらい。
うろうろすると、まずはヒメサルダヒコ(右)をいくつも発見。

  
うろうろすると、目的のマルバサワトウガラシ(左)を発見。でも花がない!
よくよくみると、株数はかなりあるのですが、ちょっと時期尚早だった様子。
サワトウガラシとのツーショット(右)なんてのも一応撮れましたけど…

  
うろうろと歩きまくって、かなり薄暗くなってきたあたりで、ようやく1花だけ
開会しているマルバノサワトウガラシを発見!
昨年のリベンジが成功したというべきでしょうか…うむむ、もう一度くらいは
挑戦しなきゃぁ気が収まらんよなぁ。んで、この場所だったら何かしら飛ぶだろうと
期待していたヤンマ類はただの1匹も飛ばず、尻切れトンボの〆となりました。

というわけで、あれこれ結構楽しめた一日でした。
やはり、ハチ高原、そして但馬地方はあれこれ出会いが会って楽しい場所です。
今回は特に、前夜から早朝にかけての、前哨戦が一番ミッチリ成果があって楽しかった!
最近ちょっと、蛾の方面にもすっかりハマってしまって睡眠不足がちですね(^^;
しかし、ここんところの悪天続きはたいしたモンで、すっかり体感気温は秋模様なのに、
よくよく考えたらまだ8月なんですよねぇ。真夏真っ盛りのハズじゃない?
もしかしてお天気の神様は、記録的酷暑⇒いきなりの涼夏、でプラスマイナス
ちょうど辻褄が合ったと思っているんじゃぁないだろうなぁ(^_^;)?
さらに、長期予報では、今年は残暑の相当厳しい秋になるそうで……
まぁ、お天気の神様のお手並み拝見ですね。まったく、どうなることやら。トホホ。


次へ⇒

topへ⇒