流浪なお盆D〜曇天の房総で〜 08.8/17

<3>南房総市周辺 続き

  
岩の隙間に素早く逃げるイワガニ(左)なんか見ていると、ふと潮溜まりの中に
動く影をを発見。……おっと!これはケシウミアメンボ(右)じゃないですか!

  
メチャクチャ素早くて撮影チャンスはないかと思いましたが、潮溜まりの中には
波がないので、ちょっとぼんやりしている個体を見つけて、ドアップ撮影にも挑戦。
これ、現物は数mmなんで、ピントがきっちりきてないあたりはご容赦を。
んで、目が慣れるとそこら中の潮溜まりを泳いでいることに気付きました。
これもまた、いると思わなきゃ絶対に気付かないものの代表格ですネェ。
ま、宮島のリベンジができてよかったかな?

  
これまたうれしかったのは、グミのような色合いのウメボシイソギンチャク(左)。
潮溜まりにはえらくゴツい、イボイワオウギガニ(右)の死骸も発見。

  
周辺の草地をうろうろすると、ハマナデシコ(左)を発見。
近くでは、なんか面白そうな実(右)もありました。調べたけど正体不明。誰か教えて〜!

  
草地では、ヒガシキリギリス(左)も鳴いていましたが、予想以上にもぐりこむので
撮れたのはこの1枚のみ。一部がピンクのかわいいオンブバッタ(右)も見れました。

  
ハマオモト(左)も発見。ここのは自生かな?植栽の名残なのかな?
ネコノシタ(右)も少しだけでしたけど、咲いていました。

  
嬉しかったのはこちら。密かにお初のイワダレソウです。
あちこちに群生が見れましたが、改めて見てもおっかしな花ですよネェ。
で、さらに転戦しようかという話になったのですが、このころにはすでにみっちり分厚い雲で、
明らかに待ってなさい降らせますよ風味。こりゃ、黄昏ヤンマは期待ゼロだなぁ。
などと悩んでいるうちに、O氏が「南限のオオセスジを見にいくか!」と一言。
さっそく、大喜びで連れて行っていただいたのでした。

<4>いすみ市周辺

  
んで、やってきたのはいすみ市某所。でも、車を降りて一言「え、寒いジャン」。
一気に分厚くなった雲で薄暗くなった世の中は、昼過ぎなのに肌寒い。
昨日との気温差は……体感的には20℃くらい違うぞ。
というわけで、期待薄だなぁと言いながら歩いたわけですが、
出るのはアオモンイトトンボ(左)とノシメトンボ(右)ばかり。むむむぅ。

  
いつみても無駄な長さの尻尾の、オナガササキリ幼虫(左)がいたり、
早くもコバネイナゴ(右)がいたりしましたが、この頃にはパラパラッと小雨まで降りやがります。

  
それでも悔しいので、池を1周半してみたりして、いい感じのセンニンソウ(左)やら、
コバノカモメヅル(右)なんか発見。でも、それくらいなんですよねぇ。

  
イヌタヌキモ(左)が結構あったのは、ちょっとした発見でした。そして、びびったのは、
どこか手違いがありましたよね?という感じのヒメガマ(右)。これ、穂が二段重ねなんです。
途中がなんかの原因で欠損した雰囲気でもないので、奇形なのかな?

  
さらに粘ると、コハクオナジマイマイ(左)がいたり、美味そうなエビヅル(右)
なんかはありましたが、結局そんなくらいで探索終了。
ちなみに、ここのトピックスは、池に隣接して建てられていた情報センターみたいな
建物に張られていたトンボの解説と写真でした。これが、マジすごかった!
というのは、ものすごい間違いだらけで、正解を探せ状態。
この池にいるトンボ、という紹介なんか、写真と名前がゴチャゴチャでパズルみたいなんスよ。
O氏と二人でしばらく大笑いした後、ものすごく空しくなりました(笑
一番のヒットは、”ホソミシオカラトンボ”かな。んなもん、房総にいてたまるかいな。

  
んで、このまま帰るのは悔しいってことで、さらに転戦したのは、
国の天然記念物である「太東海浜植物群落」。ここもある意味ビックリでした。
というのは、なんかショボいんです。植物相も、三浦半島のほうが豊富なくらいだし。
スカシユリ(左)なんかはあったけど、なんで国の天然記念物にまで?
と思いながら、砂浜を歩くと、メダイチドリの群(右)を発見。

  
まぁ、一応ちょっと歩いてみるか、なんていいながらウロウロすると、
これまた予想外のビックリに遭遇。こんな場所なのに、ヤマトマダラバッタがいたんです。
幼虫(左)、成虫(右)ともに見れて、目をシパシパ。バカにしててごめんなさい。
でも、このあたりの砂浜は黒っぽい砂だからなのでしょうか、体色がものすごい黒っぽい。
但馬あたりのとならべたら同種とは到底思えませんね。奥が深いナァ。

  
さらなるビックリも待っていました。砂浜のあちこちにトラロープが張ってあるので
近づくと「コアジサシ営巣中につき近寄らないで下さい」。
こんな砂浜で営巣すると言うのもビックリしましたが、ってか、3m四方くらいの
メチャめだつトラロープを巣の近くに設置するって、親鳥にものすごいストレスだったんじゃん?
そう思ってると、あちこちに放棄された卵(右)が転がってました。そうだろうなぁ。
設置した人は好意だったのでしょうが、もっとバサッと広い範囲を囲むようにしなきゃ
効果がなかったんじゃないかなぁ、などと思う今日この頃。

  
さらにうろううろしてみると、この状態じゃ細かい種類はわかりようがありませんが、
エイ(左)とサメ(右)の干物が転がってました。釣り人の仕業かな?

  
久しぶりに見るエイの卵のう(左)も発見。そして、最後のサプライズは砂浜に残された
不可思議な跡(右)。これ、なんとアカウミガメの這った跡なんですよ!
ちょうど調査の人が来ていたのでいろいろと話を伺うと、これは昨晩の跡で、
上がっては来たものの産卵せずに帰ったようですね、とのこと。
思わずその光景を想像してニンマリしちゃいました。いつか会ってみたいなぁ。
そんなこと言いながら引き上げると、すぐに前がみえないくらいのスンごい豪雨になって、
タイミングが良かったやら悪かったやら、といいつつ長い帰路へついたのでした。

というわけで、あれこれと成果盛りだくさんでしたが、不思議な展開の1日でした。
昨日のド夏っぷりがウソのような薄ら寒さ、そして天気予報無視の雨模様はなんとも
納得いかないもの。ここのところ、やはり異常気象というやつなんだろうか?
しかし、房総半島に残る豊かな自然の魅力も、実感できた1日。
里山のトンボ、海辺の生きものともに豪華メンバーでしたモンねぇ。
関東在住時代も、房総南部は遠すぎてなかなか訪れる機会がなかったのですが、
これからは、チャンスを見て何度か挑戦せねばなりませんね。
まずは、ヤンマの舞いにリベンジすること。そしてやはり房総といえばルーミス。
さらにいえば、いつかは幻のシロバネカワトンボを狙って!
夢は大きく行きたいと思いますんで、またOさん、ご一緒いたしましょうね♪


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