九州スナ心中の旅A〜究極のニアミス〜07.11/24

この日は、「トンボ観測」のbobtuckさんにご案内いただいての、スナアカネ・リベンジ。
玄人の探し方を勉強できるという嬉しさと、なによりも憧れのトンボに
今度こそ会えるかもというワクワク、それに、昨日アレだけ探したのになぁという
一抹の不安までアレコレごじゃまぜな気分での幕開けでした。
前後でしっかり魚捕りも挑戦したりして、九州特産の魚もある程度
見れてそれなりの成果もあったりと、やや濃厚な一日となりましたが、
結論から言うと、憧れのスナアカネは登場したんですよ、これがマジで。
玄人の鋭さを痛感したわけですが…ま、詳細な顛末は本編で、かな。

<1>有明海周辺

  
まず、この日は日の昇る前から魚捕りをしてあちこちウロウロしたあとで、
途中で干潟のある辺りを来訪しました。すると、ムツゴロウの形をしたトイレ(左)を発見。
さすがは名産だな。んで、海岸沿いを歩き始めると、満開のウラギク(右)がありました。

  
近くではみごとに真っ赤に色づいたシチメンソウの群落(左)もありました。
ここの株(右)を見ても面白い雰囲気ですよねぇ。うむ、見事☆

  
水田地帯をうろうろすると、カササギ(左)が至近距離に登場。さらにうろうろすると、
車窓から、思わぬ近距離でタゲリ(右)が見れたりもしました。

  
さて、続けて水路で頑張って網入れ。条件のいい水路に当たったようで、
タナゴがたくさん捕れました。日の出前に捕った分もまとめて紹介すると、
まずは婚姻色ではじめのアブラボテ(左)と、案外簡単に取れてびっくりのカネヒラ(右)。

  
ヤリタナゴ(左)はあちこちで嫌になるほど捕れました。
かわいらしい九州特産種、カゼトゲタナゴ(右)も何匹か捕れて嬉しい限り♪

  
そして、なにより嬉しかったのは、とある一角だけで捕れた、ツチフキ(左)と、ゼゼラ(右)。
いやぁ、何度見ても可愛らしい♪ 底物好きの私には本当に嬉しい成果でした。

  
もちろん、砂底っぽい場所ではカマツカ(左)も捕れましたから、3兄弟揃い踏み♪
あと、イシガイなんかに混じってシジミ類(右)も捕れましたが、これってタイワンシジミですよね。
とりあえずの成果に満足しつつ、大急ぎで一路福岡の公園までトんで帰ります。

<2>福岡市某所

  
公園でbobtuckさんにご挨拶して、一緒に歩き始めるとすぐに、昨日お会いしたクロギン氏が登場。
超玄人お二人と一緒にトンボ探しするという素晴らしきシチュエーションに密かに興奮しつつ、
これはもしかしてもしかしてしまうのではないか、なんて無謀な期待を膨らませながら
池の周辺をアチコチうろうろすることになったのでした。
ウロウロとトンボ探しを始めると、しばらくして目の前にムラサキツバメ(左)登場。
見る間にゆるゆると開翅(右)もしてくれましたが、角度が悪くて幻光は現れず残念!

  
その後、前回bobtuckさんがスナを目撃されたという場所を中心に、じっくり探しますが
なかなか成果なく、池の周りをグルッとまわると、アオモンイトトンボ(左)がいたりしましたが、
やはりどこにいってもひたすらタイリクアカネ(右)がいるばかり。

池をぐるっと回って、bobtuckさんのおられるすぐ近くまで戻ってきた時のことです。
じっと草地を睨んでいたbobtuckさんが鋭く一言、「いました!」
心臓が止まるかと思うほどドキドキしつつ、駆け寄ろうとしたとたん、
bobtuckさんが「あ!」と短く叫び、小さなトンボが一直線に池の中心向かって
飛んでいくのが見えました。あわてて目で追いますが、あっという間に点になり消えたその姿。
そう、憧れのスナアカネとの究極のニアミスの瞬間でした。
さすがに相当ガックリしましたが、この時期のアカネ類は縄張り張ってることが多く、
同じ場所に戻ってくる可能性は高い、ということで胸はドキドキ。
だって、間違いなくいたんですもの! この場所に! たった今!

  
ドキドキしながら、bobtuckさんと一緒に更なる探索をはじめると、すぐに
「すいません、鳥を見てるんですか?」
と不思議な質問をさられました。トンボです、と答えると相手は残念そうに、
「そうですか、これ、どうしたらいいかわかりませんか?」
その言葉とともに渡されたダンボールに入ってたのは、なんとヤマシギ!
近くのビルの窓ガラスにぶつかった個体を保護したらしく、慌ててbobtuckさんがアチコチ
電話して収容先を探して回ったりと、しばらく大騒ぎに。結局引き取り先が判明して
先方が持っていったようですが、思わぬ時間をとられてしまいました(^_^;

  
さて、改めて気合を入れて探しますが、予想外にもスナアカネはなかなか戻ってきません。
3人で再度うろうろすると、小さなアカネが飛んで大興奮しましたが、マイコアカネ(左)でした。
その後、面白かったのは、なぜか地面にばかり止まるギンヤンマ(右)。色合いも
鮮やかで、まだチョイ未熟?とか思いましたが、なぜか何度も地面にべたべたと
とまってました。ヘンなギンヤンマだなぁ。なんか珍種だったりして(笑

  
この場所では珍しいというアキアカネ(左)も出現。あまりアップで撮りませんでしたが(笑
その後もずっとひたすらスナアカネを探しつづけますが、最初出現した草地では、
チャバネセセリ(右)がのんびりひなたぼっこするばかり。
そうこうするうちにグングンと時間は過ぎ、アカネ類のなわばり活動もほとんど見れなく
なっていきます。う〜〜ん、これはどうもあれが本日唯一のチャンスだったらしい…
bobtuckさんが「九牛の一毛を探すようなもの」と表現されてましたが、たしかに
無数のアカネの中から、1匹を探すのは至難の業ではありますし。
でも確実に「いる」のだから悔しい。こうなりゃ明日も来てみよう、
そうだ、こうなったらスナアカネと心中だ! そう決意した瞬間でした。

  
最後に、これもbobtuckさんに教わったとある川に来訪しました。
歩き始めてビックリしたのは、ここにもヌマツルギク(左)の大群落があり、近くには
ヒメツルソバ(右)もあったりして、ちょっとした帰化植物園になってたこと。南国だから?

  
さて、ガサゴソと網入れしますが、あまり目ぼしいものは捕れません。
なぜかクサガメ(左)が捕れたのが面白かったですが、期待していたヤゴのほうは、
コヤマトンボ(右)ばかり。う〜ん、気合が足りなかったかなぁ。

  
砂地だったので、カマツカ(左)はほんとうにいくらでも捕れました。
白い砂だからか、全部体色が薄い個体ばかりでちょっと面白かったり。
あとは、イトモロコ(右)なんか捕れましたが、ほかにはあまりパッとしないまま
日はグングンと沈んでいったのでした。むむむ。まぁ、短時間戦だったしね…

というわけで、夢こそかないませんでしたが、楽しい一日でした。
憧れのスナアカネは瞬間のうしろ姿だけでしたが、なんせ見れましたしね(笑
#証拠写真はbobtuckさんのブログでご覧下さい → こちら
しかし、bobtuckさんは大変いい方で、スナアカネをお見せできなくて残念だと何度も繰り返し、
地図を出してきて、なにか見たいものがあれば私のわかる範囲でどこでもお教えします、などと
嬉しいご提案もしていただいて、かえって恐縮するほどでした。本当にお世話になりました。
夢は一瞬しかかないませんでしたが、自力ではおそらく発見すらできなかっただろうと
思いますし、いろいろ楽しいお話も聞け、本当に楽しい時間でした☆
この公園は過去にもスナアカネの記録が多いポイントとのことですので、
来年もまた探しに行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します♪
しかし、当日聞いたお話では、この公園では4月にスナアカネが記録されたこともあり、
年によっては定着しているとのこと。ちなみにスナアカネは多化性だとか。
早春にこの池でヤゴ捕りしたら、スナアカネが捕れるんじゃないかという妄想が
すでにぐるんぐるんと走ってます。本気で挑戦してみようかなぁ〜♪


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