突発的岐阜特攻〜黒いアカネに再挑戦〜07.9/2

<2>岐阜県可児市周辺 続き

  
さて、あれこれ粘っていると、あっという間に11時過ぎ。マダラナニワ君は昼前まで
出現しないと言われていますが、どこか近くの草地にいるんじゃないかというのが今回の
密かなテーマでしたが、結局それまでの間は本当にドコでも姿を見つけれず、
11時過ぎた途端、チャイムがなったかのように1♂(左)が出現。
すぐに愛想悪く消えてしまいましたが、やっぱりそれまでは見つけられないんですネェ。
しかし、ここからが長かった。次の個体が全く出現しないんです。
うろうろしていると、松の木の上にチッチゼミ(右)を見つけて感激したりしましたが、
なんせ距離があってどうしようもない。そうこうするうちに、11時半になって、
こりゃダメだ、やはり数が減ってるらしいな、と引き返し始めた時…

  
ふと振り向けばそこに、なんと交尾中のマダラナニワトンボを発見!
確実に寿命が縮むくらい心拍数を上昇させつつ、なんとか数枚撮影成功☆

  
やがてツイと飛んだカップルは、意外なくらい素早く連結を解き、♂はどこかに消えました。
♀は何度か草地に静止したりしましたが、そのまま草間をフラフラと飛び始めます。
静止態はピンぼけばかり2枚撮れただけでしたが、右の写真、尾端の卵が見えてますね♪

  
んで、これがまたちょうど目の前くらいの距離をフラフラと飛びつづけるんです。
おかげでしばらくねばると、昨年に引き続いて飛翔写真の撮影にも成功☆
おそらく、ポロポロと卵を落としていたのかと思いますが、普通こいつらは連結産卵じゃ?

  
その後、さらにうろうろすると、木の枝でテリ張ってる♂(左)を発見。近づくと愛想なく
すぐ飛んだのですが、ちょっと離れた場所でホバリング(右)したので、こちらも小さいながら
飛翔写真の撮影に成功しました。そういう意味じゃ愛想のいいトンボですね。
このすぐ後、別の♂が出現し、喧嘩しながらものすごい高度まで上昇してどこかに消えました。
感嘆しつつ、さらなるチャンスを狙って歩き回りましたが、ちょうどこの頃お昼のチャイムが
鳴って、彼らは姿を消しました。結局見たのは3♂2♀だけなのかな?
やはり数は少ないようで、いい写真撮るためにはまた来年も通わなきゃいけなそうですね…

ここで、フイに思いついたのは、題して「黒い赤トンボ巡り」。そう、このままムツアカネを
探しに行こうというプランです。こりゃいいと一人で盛り上がりましたが、調べてみると、南限って
開田高原あたりの様子。さすがに距離がありすぎて間に合わず、諦めることになりました。
マダラナニワは正午前にしか出ませんし、両方一日に見るのは東北に行かなきゃムリですね(^^;

<3>根ノ上湿原

  
というわけで、あまり大した目的もなくフラフラと来たのは、根ノ上湿原。
面白そうな場所だな、と前々から思っていたというだけの理由ですが、歩き始めると
さっそくヤマトウバナ(左)やら、ヤマニガナ(右)やら面白そうな花が続きます。

  
唖然としたのは、ものすごい大群落になっていたサワギキョウ。
ここまで一面に咲いている場所ははじめてみました。こいつは一見の価値ありです。

  
おもしろかったのは、そのあたりにいるヒメアカネ(左)がやたら小型なんです。
なんか大き目のハッチョウトンボがいるな、と思ったらヒメアカネかよ、位の大きさ。
そして、ブンブンと飛び回っていたのは、ルリボシヤンマ(右)。
かなり近くを飛ぶので必死に頑張りましたが、ようやく撮れたのはこれ1枚だけ。

  
なんか八重咲き風になったサワシロギク(左)なんてものも見つかりました。
湿地にはお約束のイワショウブ(右)も多数。やっぱりいい雰囲気ですね♪

  
ちょっと驚いたのは、かなりの大きな株になっていたこの植物。
こ、これはヌマゼリだろう!そう思ってバシバシと撮影したのですが、後で調べると
この周辺にはヌマゼリは分布していないとのこと。すると、同じような葉となると
ムカゴニンジンなのですが…これが?いつも見るのはあんなひょろ長いのに?
それともいつもムカゴニンジンと思いこんでいるのが違うのか?誰か教えて下さい!

  
そして、なんといっても一番感激したのはこちら。
憧れの、ミカワシオガマです。葦毛湿原を始め、近距離では見れない場所も多く、どこで
撮影できるのかと途方にくれていたら、なんとこんな場所にあったなんて!
それも、小柄な株ばかりでしたが、結構な群落になってました♪

  
色鮮やかな実をつけたカエデ類(左)もありました。ウリカエデかな?
そして、木影ではなんと白い花をつけたヒゴタイ類(右)を発見。環境的に、ネコヤマヒゴタイ
の白花かなぁと思いますが、こんなばしょにもあるんですねぇ。

  
もちろん、サギソウ(左)なんかはあちこちに咲いていました。恥ずかしながらなにげに
初撮影となるミズギク(右)も結構咲いていて、嬉しい限り。うん、素晴らしい場所だ☆

  
そうこうしてると、バサバサバサッと大きな音。ふりかえると、ルリボシヤンマ同士が
折り重なるように木道に落ちて(左)います。あ、♂が♀を捕獲したな。これはもしかしたら
交尾が撮れるかも。そうドキドキしながら近づくと、上にいた個体がさっと飛び去りました。
あ、フラれたんだ。可哀想に。そう思いつつ残った個体(右)に近づくと……首がない!
いやぁ、これは衝撃でした。しばらく立ち尽くしちゃったくらい。
微笑ましく眺めていた光景は、♂同士の命がけの縄張り争いだったようです(- -;

  
さらにうろうろすると、ミカワバイケイソウの実(左)も発見。アップ(右)で見ると、
これもまたなかなかいい雰囲気です。とりあえず揺さぶって、子孫繁栄に貢献してみたり。

さて、ルリボシヤンマは相変わらず手の届きそうな範囲をブンブン飛んでますが、
うちのデジカメではどうにもならず、やがてエゾトンボ系の面白そうなのも出現したので、
それならば、と車に戻って捕虫網を持って引き返してみることに。
しかし、それが神様の気に食わなかったのか、すぐさまかなり勢いのいい雨が
降ってきやがって、捕獲もなにもない状態。ほうほうの体で林の中へ逃げ帰ります。

  
雨宿りしつつふと見ると、林の中には、ウメガサソウの実(左)が多数。かなり大きな
つぼみをつけはじめたツルニンジン(右)なんかもありましたが、しばらく待てども雨足は
収まらず、諦めてフラフラと移動することに。ルリボシヤンマのアップはまたの機会ですね☆


んで、思いついて、名古屋在住の妹に突然「メシ食うぞ」と電話を入れ、
一体このバカ兄貴はなんだって事前通告もなくこんな場所まで遊びにきとんじゃと
呆れ返られながら、「やばとん」のわらじトンカツを食べて楽しき一日の〆。
いやぁ、何度食べてもこの味噌カツは美味いです。オススメですぞ♪

というわけで、これまた大変面白い一日でした。
突発的な思いつきだけで来たわりに、マダラナニワトンボも昨年よりはなんとか
マシな写真を撮れましたし、憧れのミカワシオガマをはじめ、いろいろと
面白いオマケがついてきたのも嬉しい限り。ビバ・方向転換☆
これはつまり、間接的にはSさんのおかげということですね。お二人に感謝♪
ついでに行き当りバッタリの、我が人生にもエールを送りたいとこです。
そして、やはりこのあたりの場所は何度来ても面白い場所が多い!
本当はもっとミッチリあれこれと探索したいのですが、なんせあの池に10時半〜12時半
くらいにいなきゃいけないとなると、なかなか移動範囲が限られるのがツラいところ。
さらに言えば、いつも行く池の周りにも、きっと他にもいい産地があると思うんですが、
チャンスタイムがあまりに短すぎるので、なかなか別の場所に空振りしにいく勇気が
持てないのも悩みどころですね。来年は、勇気を振り絞って挑戦するかな☆


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