二兎追うものは〜連敗の中の幸運〜07.7/28

この日は、久しぶりに兵庫南部周辺の探求といたしました。ええ、ここんとこ
ゼフ狙いでアチコチ遠征しすぎて、地元の面白そうな情報やら以前から狙ってたものを
かたっぱしからすっ飛ばしていたもので、こりゃぁいかんと思ってたんですわ(^^;
ところが、そうなるとあれもこれも行きたくなってしまうのが私の性質。
地図を睨みつつ、この順番で回ればこことここが回れるし…とか、無謀なコースを
なんとか捻出、一気に全部回ってやろうという心意気だったのですが、
どうやらこういう心境の時は神様がご覧になっているようで、もう連戦連敗!
でも、その中でもいくつかの予想外のラッキーも拾えたりした、そんな一日でした。
「二兎追うものは…」と昔から言いますが、この日負ってた兎は2どころじゃないわけで、
まぁ、欲をかくと失敗しますよ、というイソップ童話的なオハナシでしょうか。トホホ。

<1>大阪北部周辺(数箇所)

  
まず最初に来訪したのは、大阪北部の某所。前々から鳥方面の魅惑的な情報を
頂いていたのですが、ゼフにかまけて放っていたので今更ながらの挑戦です。
早朝薄暗いうちに到着すると、ハグロソウ(左)が咲いていたり、何度見ても
魅惑的なメタリック光沢のアシグロツユムシ幼虫(右)がいたりしました。

  
やがて何名か同好の方々がいらっしゃったので挨拶しつつお話してると、目的の鳥は
ここんとこエラく愛想が悪いらしいとのこと。むむむ、やっぱ早く来ときゃよかったよぉ。
しかたいのでウロウロして、ヒメフナムシ(左)や、オオセンチコガネ(右)を撮影して遊んだり。

  
ラミーカミキリ(左)がいたり、ゼニガサミズメイガ?(右)を見つけたりして遊んでると、
大きなざわめき声。これは出たか?と駆けつけると、いつも件の鳥が出るポイントを、
なんと大きなテンが横切ったとのこと。見てた方曰く、「こりゃぁ当分出ないだろうね」。

  
かなり絶望しつつ、それでもかすかな望みに賭けながら、しばしウロウロ。
かわいいマイマイ類(左)を見たり、よくみるハエの美麗種(右)をドアップ撮影したり…


  
なんか排水溝からニホンミツバチが出てきている(左)のを発見。
思い切り覗き込んでフラッシュを焚くと、なんと巣の一部(右)が見えたりしました。
こんなとこでも巣造りしてるんですね! 自然ってのはやはり力強いもので。
その後、小さな洞窟を発見して覗き込むと、キクガシラコウモリを発見!
でもカメラを用意する前に飛んで逃げられてしまって、ガックリ……
そして、件の鳥もなかなか出てこないので諦めて場所を変える事にしたのでした。

  
お次に来訪したのは毎年クロヒカゲモドキを探しに来る辺り。
うろつくと、クロコノマチョウ(左)やサトキマダラヒカゲ(右)はすぐ見つかったのですが、
今年はポイントに迷わずにつけたというのに、一匹もいないんです。ありゃ?

  
しかたないので周辺をひたすらウロウロすると、ハンミョウ(左)がいたり、
フキバッタ類(右)をみつけたりしました。ちなみに、分布図的にはこのあたりは
オマガリフキバッタの生息域かと思うんですが、こいつがそうなんでしょうかねぇ?

  
ナツフジ(右)はかなり花盛りの株があったものの、ゴチャゴチャしてて上手く撮れませんでした。
面白かったのは、イタチシダ類の中に、先端だけ白い株(右)があったこと。突然変異?

  
シダ類をモシャモシャ食べている蛾の幼虫(左)もいました。君の名前はなに?
竹林の中には、ムサシアブミの葉が多数あり、ちょっと奇形風の株(右)もありました。
本来は葉は三裂なんですが、これは微妙に五分裂気味ですよね。

  
うれしかったのは、なかなかきっちり撮るチャンスのなかったニホントカゲの幼体に
出会えたこと。どうです、このセクシーなシッポ!サファイヤなんて目じゃないッスよね☆

  
うろうろしていると、さらに驚愕の出会いがありました。
完全に壊れかけてますが、憧れのアミガサタケ(左)が1つだけあったんです!
ああ、綺麗な時期にもう一度会いたいわ。来年も来なきゃいけませんなぁ。
ちなみに、この貴重品をガシガシ齧ってたのは、ベッコウヒラタシデムシ(右)でした。

  
その後もうろつきますが、きれいなクロコノマチョウ(左)と、
羽化直後らしきムラサキシジミ(右)などなどが見れただけでクロヒカゲモドキは空振り。
確かに例年より少し時期は遅いんですが、まだまだ大丈夫なはずなのに…

  
若い実をつけ始めたヤブミョウガ(左)やら、こちらは咲き始めのカクレミノ(右)
なんかみた辺りであまりの暑さと成果のなさとヤブ蚊の猛攻にギブアップ。
次の場所へ移動を始めたのですが…道中がメチャクチャ込んでて、よくよく考えると
今日は夏休み入ってはじめの土曜なんですね。移動に思わぬ時間をとられるハメに。

  
お次のポイントは、とある水田地帯。情報を頂いた場所に到着し、
トノサマガエルの子ども(左)やら、キクモの葉(右)など撮影してるいると、突然
「Kさ〜ん!」と私の名前を呼ぶ方が出現。メチャびっくりしましたが、
なんと情報をいただいたMさんがちょうど現場に来ていらしたのでした。

  
というわけで、Mさんにご案内いただいて観察したのは、超貴重種、サジオモダカ。
大阪府では本来記録のない種類ですが、Mさんが数年前発見されたそうで、
大きな群落(左)がいくつもあって、時には水田の中に生えてる株(右)も。

  
ひょろ長くてなかなかうまく写真が取れませんが、小さな株(左)をみると特長がわかるかな?
つぼみのついている株(右)もアチコチで見ることができました。
近畿地方には薬用として育てられていたものの逸出が記録されているのみだけど、
Mさんの聞き取りではこの地域では薬草の栽培はされていないとのことで、
自生の可能も大きいという超貴重な群落なのです☆
抜群に素敵な場所をご案内いただきまして、本当にありがとうございましたm(_ _)m


次へ⇒

topへ⇒