黒部渓谷への旅 〜2日目:ドシャ降り編〜05.08/15

 黒部渓谷の旅、2日目は最初から不穏な空気が立ち込めていました。
明らかに「降るぞぉ、それも沢山降るぞぉ」と宣言しているような空模様。
あと2日でムリヤリ横断というコースはハナから諦め、本日は仙人池付近でチョウ探しをして、
仙人池温泉小屋まで戻るコースで、さらにドシャ降りなら阿曽原小屋に戻ることも視野に入れて…
という少し腰が引け気味のスタートとなりました。

 @ 阿曽原小屋〜仙人峠 <前編> 

  
仙人温泉小屋方面へひたすら登っていくと、やがて最初の雪渓(左)が見えてきます。
ここは雪渓が崩れていると言うことで高巻きの迂回路が設定されているんですが、これが
半端じゃない急斜面。さらに登る頃にはかなり強い雨が降ってきやがりました。

  
ゼェゼェ言いながらも登ると、アクシバの小さな花(左)や、ホソバヤマハハコ(右)などなど
それなりに面白い出会いもありました。

  
コエゾゼミ(左)にも1匹だけ会うことが出来ました。近くでは、タテヤマウツボグサ(右)も
見つけることが出来て、黒部に来たんだなという感じが盛り上がります。

  
汗だくで登って、下って、最後の道は、こんな急沢(左)でした。
道を間違ったかと思ったけど、きちんと「高巻き道」の表示アリ。これは、もしかして
ドシャ降りが続いたら通れなくなるかもしれない、そんな不安をヒシヒシと感じました。

  
降りきったところは雪渓です。なにげに初雪渓歩き。
ツルツルに凍った万年雪の上を歩くとやはりちょっと足元が滑りますが、こけたらズルズルと
ず〜っと滑っていったり、クレバスに落ちたりするんかな、と思うとドキドキ。なんせ運動靴でしたし(笑

  
雪渓を横断すると、対岸にはご褒美のようにステキな花が待っていました。
白くかわいいノウゴウイチゴ(左)と、怪しげな姿のキヌガサソウ(右)。

  
キクバヤマボクチ?(左)も不思議な形のつぼみをつけ、さらに
花が終わった直後らしき雰囲気のフキ(右)も見つけました。

  
ちょっと歩くと、こんなドシャ降りの中なのに、アサギマダラ(左)が1匹ヒラヒラと舞ってました。
近くには小さな花のかわいいゴマナ(右)もありました。

  
さらにもう一箇所雪渓を渡る辺りでは、奥の方にゼンテイカ、いわゆるニッコウキスゲの
群落(左)を発見。危なげな足取りで近づいて、アップでも撮影(右)しました。

  
近くには緑色の地味な花をつけるアラシグサ(左)も満開でした。
林の中に入ると、オオレイジンソウ(右)も数花だけ咲き残っていました。

  
そうこうするうちに、割と早く、2時間半ほどで仙人温泉(左)に到着。
しばし雨宿りをしていると、こんな雨の中でもヒメシジミ(右)が一匹だけ活動してました。
しかし、休憩中に他の山客から話を聞くと、「仙人池?今行っても何も見えないよ」
という絶望的なご意見。しかもひたすら雨は強く、全身がマジでずぶ濡れ…

  
行くだけ行ってみようということで再スタートをきると、ミヤマヒナバッタ系のバッタ(左)を発見。
イワギボウシ(右)もそこここに咲いていましたが、全てが塗れぼそっています。

  
さらに歩くと、クロクモソウ(左)や、モミジカラマツ?(右)などの花にも出会えましたが、
さらにズンズンと雨がひどくなっていって、湿気で足取りが重くなっていきます。

  
さらにしばらく歩くと、雪渓があり、晴れていれば雪渓越しのお花畑という写真が撮れるのかな、
という雰囲気の草地が隣接しています。でも、この辺りで、なんと上の方にはけっこうな霧が
出始めました。そういう意味か、たしかに仙人池に行っても「何も見えない」はずですね。
ということで雨の中で結構疲れていたこともあり、これ以上ドシャ降りが続くと、途中の沢の道や
雪渓が渡れなくなるかもとも考えて、阿曽原小屋まで引き返すコースを選択することにしまいました。
あぁ、なんだか不完全燃焼。

さらに雨の続く帰路は続編でお届けいたします。


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